鶏メモブログ

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盗葉緑体性生物の話

あるセミナーにて、「盗葉緑体性渦鞭毛虫」の面白い話を聞いた。

光合成能力を盗んで光合成する

 現代の植物や藻類が持つ光合成能力は、細胞内の葉緑体により行われる。この葉緑体は、かつてシアノバクテリアを取り込んだことにより進化したオルガネラである話は有名である。ある鞭毛虫は、自分では光合成能力を持たないが、光合成能力のある藻類を自分の細胞内に取り込み、光合成させることで糖を得る。この現象を「盗葉緑体現象」という。ちなみにその一種は、Nusuttodinium aeruginosum("ヌスット"ディニウム アエルギノサム)といい、名前の通り光合成を盗む盗人(ぬすっと)。かつてシアノバクテリアを取り込み葉緑体になるまでの過程に、もしかしたらこの盗葉緑体現象が起きたのかもしれない、という話。

 過去の現象が今でも現在進行中で起きているのは非常に面白い。今起きていることは、過去にも起こりえた、というのは大事な視点なのかもしれない。

 

参考文献

www.nig.ac.jp