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ラズパイ4 ロボットの作製①―ラズパイのセットアップ

 前回、参考記事通りにできないことが分かった。そこで、今回は以下の記事を参考にとにかくROSに触れてみることを目的とした。

tech-swim-bike.info

1.  ラズパイのセットアップ

 まずは、Ubuntu OSの導入。記事では20.04.2(jammy)をインストールしているが、ここでは「20.04.5」を導入する。

 無事起動が完了した。

2. SSHの利用

 メインPCから操作したいので、SSHを利用する。

$ sudo systemctl status ssh
で、アップデートしてから、
 
$ sudo apt-get install openssh-server
SSHを導入。
 
$ ip a
で、IPアドレスを確認、
 
$ sudo systemctl status ssh
で、SSHがactive (runnning)であることを確認。
 TerratermでUbuntuのユーザー名とパスワードを入力して接続を確認した。
 
 次に、IPアドレスを固定して、メインPCからいつでもアクセスできるようにしたい。”50-cloud-init.yaml”がネットワーク設定のファイルなので、これを書き換えてIPアドレスを固定する。
$ cd etc/netplan/
で、ディレクトリを移動して、
 
$ sudo nano /50-cloud-init.yaml
で、nanoモードでファイルを編集する。
 
以下のようにファイルを編集した。dhcp4がIPアドレスを自動割り当てするシステム。
network:
    ethernets:
        eth0:
            dhcp4: false
            addresses:
              - 192.168.0.50/24
            routes:
              - to: default
                via: 192.168.0.51
  version: 2

ctrl + X で編集を終了し、保存するか聞かれるので Y を入力。

$ sudo netplan apply
で、ネットワークを動かす。エラーがあると警告が出るので、
 
$ sudo netplan --debug apply
で、調べてみる。
:の後の半角スペースとか、記入漏れがないかチェック。
 
うまくいったら、IPアドレスで確認して、アドレスの固定完了。
Tera termで固定したIPアドレスを入力してつないでみる。

設定完了!

ラズパイ4 ロボットの作製⓪―ラズパイのセットアップ

 2020年12月のトランジスタ技術にて、ラズパイを使った遠隔ロボットの作製の特集が組まれていた。数年前の記事のため、今ではもっとできることがあるとは思うが、ロボット作製の学習として挑戦してみる。ラズパイの利用も初めてで、pythonも初。とにかくやってみる。

1. 機材の用意

 ラズベリーパイ4 モデルBの4GBを購入(4GBじゃ足りない?)、Amazonで10000円ぐらい。ちなみに参考記事を見ると、4000円程度と書いてあって驚き...

 他に、Lidar、赤外線センサー、カメラ、ファンレスケース、OLEDディスプレイ、5V ACアダプター、5V モバイルバッテリーを購入、全部で3万くらい。学習投資なので価格はどうでもよし。

2.ラズパイのセットアップ

 OSを導入するだけだと思ったら、ロボットの制御にはROS(Robot Operating System)なるものがあるらしく、ロボット開発ソフトウェアを利用する。そこで、ROSを書き込む必要がある。

 今回は、ROSがインストールされたOSのイメージファイルを使う。小型ロボットメーカーのUbiquity Roboticsがそのイメージファイルを公開している。同社は、Magniという製品で、100 kgほどの荷物を運ぶロボットを作っている。

Magni | 有効荷重 100kg Raspberry Piベース モバイル ロボット | 海外ハードウェアの購入ならUNIPOS(ユニポス)

 まず、Ubiquity Roboticsのダウンロードサイトから圧縮ファイルをダウンロード。参考記事では、"2020-02-10"のバージョンを使っているみたいだが、"Ethernet and Sonars do not work when CPU is a Pi4"とあり、その後の"2020-11-07"のものもソナーボードが使えない。ということで、最新のものを使った。

 ROSにはROS1やROS2の種類があり(今はROS2が主流?)、ROS1バージョンがあり、今回のROSはROS1 kineticである。ROSの概要については以下のリンクから学んだ。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1506/11/news012.html

 

earn.ubiquityrobotics.com

↑イメージファイルDL元

↑ DLサイトの画面、右上の"Kinetic"をクリックすると表示される。今回は、"2021-11-24"を使ってみる

 ダウンロード出来たら、7-zipで展開、イメージファイル(img.)を入手する。

 次に、imgファイルをmicroSDにWin32 Disk Imagerで書き込む。

↑特に余計な事せず、書き込む

 書き込んだら、microSDをラズパイ4に挿入。キーボード、マウス、ディスプレイにつないで起動!...したかったのだが、ディスプレイにつなげるmicroHDMIの変換端子がなかったので、行き止まり...

 後日、microHDMIの変換端子を購入し、再開。ついに電源を入れると、ディスプレイには、

This board requires newer software
Get the latest software from https://www.raspberrypi.com/software/

というエラーメッセージが...もしかしてラズパイのバージョンが違う?

試しにGUIなしのOSを導入して確かめてみると、

more /proc/device-tree/model
Raspberry Pi 4 Model B Rev 1.5
 
表示のRev 1.5は新しいバージョンで、DL元をもう一度見ると、

"Added support for rev 1.5 Pi 4s, ...."と書いてある。最近対応されたばかり、ということ。ダウングレードも出来なくはないが、推奨されていないようだ。
 
さて、どうするか。

 



 

Creality K1の不具合 ― 規則的なカスレ

creality K1を使用し始めて約2か月。フィラメントの送り出しチューブの設計や、天井の蓋が動いてしまうとか、ややベッドの傾きがあるとか、いくつか気になるところがあるものの、印刷自体はきれいにできていた。

しかし、年が明けてから印刷の一部がかすれる現象に遭遇した。

上記は本来フラットな一面になる設計。しかし、でこぼこした縞々になっている。かすれる位置はランダムのようだが、かすれている部分は直線一本になっている。ちなみにこの現象は初めて遭遇した。

結論を言うと、原因を解明して解決した...が、くだらないことだった。

原因の究明

印刷のかすれの原因として考えられるのは、

1. フィラメントが湿気る

2. フィラメントの送り出しが悪い

3. 気温が低くく、印刷条件が適さない

4. レベリングが悪い

5. Gコードに何らかのエラー

6. 本体側の不調

思いついたのはこんなとこ。

今回のケースで一番気になるのは、かすれている部分は直線的であること。おそらく、ヘッドが折り返す時(方向転換?)にこの症状がおこり、また折り返す時に再び正常にフィラメントが出るようになっている。

だから、ランダムな不均一性のある症状ではないため、1、3、4ではないと思う。また、5、6の場合、いずれにせよ自分では対処が難しい。2の可能性で考えてみる。

フィラメントの送り出しが悪い?

原因がフィラメントの送り出しに関わる何らかの要因であると仮定し、いくつか試してみた。

まず、フィラメントの流量。100%だからこれ以上は上げられない。

次に、温度。寒くなってきたからフィラメントの動きが鈍くなったのかもしれない。しかし予熱してからやってもダメだった。

今度は送り出しチューブの点検。K1はよくある不具合として、フィラメントを通すチューブの動線が悪く、角度がきつくてフィラメントが時折折れてしまう。そこで、自分はチューブの固定を外して自由にしてある。そこで今回は本体の蓋を開けて開放状態にし、さらに自由にした、がダメ。

フィラメントを送り出すギアがダメなのか、その場合は部品発注と交換しなかきゃなあ...

最後にフィラメント一回抜いて確認してみるか...

 

で、気づいた。

フィラメント固定具が外れていた。

仮説は当たっていたけど、なんだかなぁ...笑

無事、K1は正常に動き出した。

盗葉緑体性生物の話

あるセミナーにて、「盗葉緑体性渦鞭毛虫」の面白い話を聞いた。

光合成能力を盗んで光合成する

 現代の植物や藻類が持つ光合成能力は、細胞内の葉緑体により行われる。この葉緑体は、かつてシアノバクテリアを取り込んだことにより進化したオルガネラである話は有名である。ある鞭毛虫は、自分では光合成能力を持たないが、光合成能力のある藻類を自分の細胞内に取り込み、光合成させることで糖を得る。この現象を「盗葉緑体現象」という。ちなみにその一種は、Nusuttodinium aeruginosum("ヌスット"ディニウム アエルギノサム)といい、名前の通り光合成を盗む盗人(ぬすっと)。かつてシアノバクテリアを取り込み葉緑体になるまでの過程に、もしかしたらこの盗葉緑体現象が起きたのかもしれない、という話。

 過去の現象が今でも現在進行中で起きているのは非常に面白い。今起きていることは、過去にも起こりえた、というのは大事な視点なのかもしれない。

 

参考文献

www.nig.ac.jp

ストリゴラクトンの話

あるセミナーにて「ストリゴラクトン」の面白い話を聞いたので、調べてみた。

米山香織先生/若手研究が世界を変える! - こんな研究をして世界を変えよう

ストリゴラクトンとは

 ストリゴラクトンは、「枝分かれホルモン」とも呼ばれる、植物ホルモン。以下のような構造を持つ化合物の総称である。また、AM菌(アーバスキュラー菌根菌)の感染誘導を行う物質としても知られている。

「六員環(A環)と五員環(B環),ラクトン環(C環)が連なった三環構造にメチルフラノン環(D環)がエノールエーテルを介して結合している特徴的な四環構造をとっており―――」(Kagaku to Seibutsu 53(3): 171-178 (2015) より一部抜粋)

 上記の構造からさらに30種類以上の類縁体が見つかっており、非常に不安定で壊れやすく、ゆえに人工的な合成は困難といわれている。また、この類縁体は、種特異的であったり、科に共通するものであったり(例えばマメ科のみ)、科をまたいで有するものであったりと、未知な部分が多い(Kagaku to Seibutsu 58(10): 571-578 (2020))。さらに、植物はごく微量にしか生成しないので、検出も難しく、ゆえに研究が進みにくいだろうと思う。

 植物は栄養が少なくなると、根からストリゴラクトンを土壌に放出し、これをAM菌が感知すると、感染、共生が始まる。面白いことに、複数の株が密生すると、根から放出されるストリゴラクトンの総量は変わらないが、株ごとの放出量は1/2、1/3...となるらしい。また、異なる2種の作物を混植すると、一方の作物から放出されたストリゴラクトンを感知して分げつ抑制することから、積極的に根から他種のストリゴラクトンを吸収することがわかっているらしい。他にも興味を引く内容と未知の部分が紹介されていた。

 密生の極端な例として芝生が挙げられるが、上記の話がシバにも適当なら、ストリゴラクトン量は限りなく少ないのではないか。ベントグラスがAM菌と感染しにくいのもこれが原因なんだろうか。あるいは、AM菌が感染しにくい一部の植物と何か共通する部分があるのだろうか。これからも注目していきたい分野だった。

Crealtiy K1を買っちゃった

 ブラックセールで6万円に安くなっていたので、Crealtiy K1をポチってしまった...

 今年の5月ごろに発売したもので、売りとしては高速印刷。600 mm/sって早すぎでしょ。

 今のkp3sと異なるのは、印刷速度(10倍以上)、ベッドがZ軸で動く、エンクロージャーあり、klipperファームウェアなど。まだ情報は多くないが、今のところ大きな不具合は出ていない。日本語対応していないがそこは気にならない。

 思ったより大きいけど、見た目はかっこいい。あとライトあると雰囲気かっこいい。

 試しに3D Benchyを印刷したら早送りを見てるような速度で印刷した。とんでもねえ化け物です。

 でも…

さっそくの不具合発生

 試しに15 cm四方の平たいものを印刷したら、ベッド左上あたりでゆがみが発生。印刷自体はできたものの、寸法がずれ、ゆがみの部分でゴリゴリ音が発生していた。原因はおそらくベッドにめりこんでいたこと。よく見ると、ベッドが傾いていた(上の写真は調整後)。

 調整は以下の動画の方法でできた。こういう調整方法がのっているのはありがたい。動画だと、底面のテンションベルトの通し方が異なるけどいいのかな。まあテンションがしっかりかかっているし、目的は水平をとることだしよしとする。

Service Tutorial K1 How Bed Leveling - YouTube

 kp3sの不具合多発に比べたら、これくらいはご愛敬か。標準でオートレベリング、klipperの加速度計算、さらには高速印刷は非常に魅力的。

 これからガンガン動いてもらおう。kp3sは小さなものをメインに会社でがんばってもらおうかな。

樹木から鉄キレート剤を開発

 樹木に20~30%含まれるといわれるリグニンを用いて、植物成長促進剤を開発する、というもの。東京農工大学などの研究グループが発表。

www.tuat.ac.jp

 木質材料を硫酸で加水分解すると、「単糖類」と残渣に含まれる「硫酸リグニン」が得られる。前者は家畜飼料や発酵させてエタノールなどに使われるが、後者は樹脂化してしまい、利用が困難だった。彼らは硫酸リグニンをアルカリ水熱反応により水溶化させることに成功。これをイネなどに撒くと、土壌中の鉄をキレート化し、鉄欠乏を改善した。特に根の伸長に寄与するらしい。

 リグニンは難分解物質で、セルロースに次ぐ地球上に多い有機物。利用価値ができれば理想的なバイオマスとなるだろう。

 ただ、アルカリ水熱処理では280℃、NaOHを使うが、こうまでしないとリグニンは利用できないらしい。やはり自然分解は相当時間がかかると考えられる。